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講談私小説
《能面》
 わたしは昔から顔に表情がなく能面のようだといわれ、先日も楽屋で二人の熟女講釈師から「無愛想だ」「何を考えてるかわからない」と激しい叱責を受けましたが(笑)「でもオレは若い頃の師匠に似てるんだぜ。師匠がそういったんだ」と言い返してやると二人ともキョトンとしております。
 ……それはわたしが二十代の中頃のこと、師匠宅に師とわたしと照山兄がいて、前後の脈絡は覚えていませんが、師が兄に「これ(わたしのこと)はね、ぼくの若い頃によく似てるんだよ」と語りかけたのです。
 いわれてわたしは驚きましたが、得心がいったことがあります。それは師の写真は概して無表情なのです。能面なのです。
 わたしのような貧乏人の倅も師のような金持ちの倅も同じ能面で育ってきたのです。能面は平等なのです(笑)。
 この話をしてやったら二人の熟女講釈師は急に黙ってしまいました。もつべきものは自分とよく似た師であります(笑)。

《講談私小説》
 すでに完売となっておりますが5/3・4・5に向じま墨亭(以下墨亭)で開かれるわたしの独演会では「講談私小説の世界」と称して連日講談私小説を二席ずつ申し上げます。
 3日「酒の染み」「真剣師」
 4日「唐草の背広」「引き幕」
 5日「出身地」「ベラ」
 講談私小説を発表してから30年経ちますが、演じたい読み物を脳裡に浮かべ並べたところ奇しくもその初期、中期、現在の特長が示されている順列となりました。
 こういう大胆な企画は墨亭でなければできませんが、わたしが墨亭に出演するときの告知は墨亭を主催するオフィスぼんがさんにおまかせしておりますので、どうかみなさん折をみてオフィスぼんがのブログにアクセス、ご確認願います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

by aizan49222 | 2022-04-26 13:11 | 愛山メッセージ


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