伯山の功績

《怪談照明器具》
　わたしは築50年くらいの木造モルタルアパートに住んでいますが、古い蛍光灯がチカチカして数日経っても直らず、もはや器具自体が寿命と思い、電気屋を呼んで2部屋の電気をLEDに変えたというのに、設置しても頻繁に切れてしまうのです！しかも連鎖的にテレビも切れる！
　電気屋に電話しても不思議がるだけで解りません。でも「今度お伺いして調べさせてもらいます」と約束をしてくれました。
　と、今度はその日の夜遅くなって室内のすべての電気が消えてしまいましたから驚いたの何の！
　他のアパートの部屋はどうなっているのか、窓灯りの様子をみてみようと慌てて外に出ると、近所の人が数人立っていて東京電力の作業員が電柱に上って工事をしていました！
　何でも電線の接触が悪かったそうです。チカチカはそれが原因でした。
　で、その工事で、わたしの部屋の電気類は正常に戻りましたが、古い照明器具が悪いと思い込み、新しい照明器具を2つも購入してしまったというのに、まったく人騒がせな話です。
　わたしの場合は補償の対象になるようですが、こちらからお願いしないと補償してくれないような先方の説明に愛想をつかし、補償請求はしませんでした。
　たしかに東京電力は世評通り尊大な態度を示す会社です。
　……これから照明器具購入代金の怨みが東京電力の社長重役連に次々に祟っていくという怪談照明器具の一席……(笑)。

《世直し大明神》
　またぞろ緊急事態宣言が延長されるそうです。この国はコロナではなく、自粛でつぶれます。
　今もし仮に国定忠治に大塩平八郎という世直し大明神と仰がれた先人たちがいたとしたら、菅、西村、田村、尾身、中川、一都二府三県の知事たちの始末をよろしゅうお頼み申し上げます。

《伯山の功績》
　破天荒で因習に囚われない伯山の生き方は、まさに令和の信長ですが、わたしはこの男の一番の功績は男性講釈師の存在を世に知らしめたことにあると思っています。
　それまでの釈界（講談界）は一龍斎貞橘君の「男性講釈師というハンディを乗り越えて頑張る」というスーパーギャグにある通り、まさに女流講釈師一辺倒で、我々男性講釈師は多くの屈辱に堪えてきました。
　まさに女流にあらざる者講釈師にあらずといった状況だったのです。
　が、それを一新してくれたのが伯山なのです。
　伯山が売れたおかげで、世間の耳目が男性講釈師に向けられるようになったのです。
　しかしこれは伯山が意図したことではなく、あくまでも結果論です。