ためらいて色あせ縮み型古き父の形見を捨つる年の瀬

《人生会議》
　厚労省が吉本に委託して作成した終末医療に向けて家族や医師との話し合いを勧める「人生会議」のポスターは賛否両論あって圧倒的に否定論者のほうが多いようです。
　が、たしかにあの写真はホラー映画のようで恐怖心を煽られますが、そこを欠点として認めれば、あのコメントはいかにも小籔さんらしく（小籔さんが考えたかどうかは知りませんが）わたしはそれほど悪いポスターだとは思いません。
　否定論者の中には「私たちは生き方を考えているのに、あのポスターは死ぬことを考えろといってるみたいだ」とクレームをつけた団体があるようですが「死ぬことを考えることがすなわち生き方を考えることにつながるんだ」と、わたしは考えています。

《新国立競技場》
　新しい国立競技場が完成したようですが、たしかここは設計者が図面に聖火台を付け忘れていたんじゃありませんでしたっけ?
　その話題もいつのまにか消えてしまったようですが、まあ何とかごまかすことができたなら世界的な恥をかかずによろしゅうござんした(笑)。

《男はつらいよ》
　「男はつらいよ」の新作が封切られるようですが、わたしはおそらく観ないでしょう。
　吉岡と後藤という若い人気俳優が中心になってストーリーは進み、渥美さんの出番は昔のフィルムを合成して使うのでしょうが、鑑賞すれば今さらながら渥美さんの不在に哀しくなるだけです。
　渥美清のいない「男はつらいよ」は「男はつらいよ」であって「男はつらいよ」ではありません。
　天下の山田洋次がどうしてこんなことを考えたのか理解に苦しむところです。
　それともわたしごときが思いもよらぬ世界が、山田洋次にはあるのかもしれません。

『愛山・喬太郎二人会』
1／28(火)18:00
お江戸両国亭（JR両国駅東口歩8分・大江戸線両国駅A5歩6分・京葉道路沿い・墨田区両国4ー30ー4）
2500円（当日自由席・予約不可・ブログプリント持参割引なし）
西村・神田春陽
「（寛政力士伝）越の海」神田愛山
「御慶」柳家喬太郎
（仲入り）
「おたのしみ」柳家喬太郎
「（菊池寛原作）敵討母子連れ」神田愛山