裁判というものは、たとえば殺人を犯したということを立証できなければ、殺人を犯したという事実があっても、殺人は犯されなかったことになり、錯誤やでっちあげの証拠などで殺人が立証されれば、殺人を犯していなくても、殺人を犯したということになって冤罪が成立してしまいます。
これが裁判はしょせんは裁判所内における法曹関係者による趣味と実益をかねた法律ゲームであり、加害者も被害者もないがしろにされてしまっているといわれる所以ですが、こんな裁判制度に反旗を翻したのが2009年の「完全なる報復」というアメリカ映画です。
二人の暴漢に妻と娘を殺された男が、この暴漢を裁判にかけることなく司法取引ですませてしまった弁護士、裁判官を続けざまに殺害し、妻と娘の敵を討つバイオレンス映画ですが、鑑賞しているうちにこの復讐者を心の底から応援してやりたくなり、本当の正義は、この復讐者のほうにあるのではないかとさえ思われてしまいます。
そして最後まで生き残った検事も、次第にこの復讐者の考えに同調するようになっていきます。
……結城昌治先生の「斬に処す~甲州遊侠伝」は、人としての戸籍を捨てた無宿人博徒黒駒の勝蔵を主人公にしたハードボイルドです。
勝蔵は世間の法秩序を忌み嫌って無宿人となりましたが、わたしは時として野良犬と同じ無宿人が羨ましくなってしまいます。
どうか、わたしの独演会で、アウトローの世界をご堪能ください。
『神田愛山独演会』1/26(金)19:30
らくごカフェ(神保町駅A6・神保町交差点古書センタービル5F…ビル裏口エレベーターより・降りて左・千代田区神田神保町2ー3)
2000円(ブログプリント持参割引あり)
愛山演題~結城昌治原作『斬に処す』より「甲州遊侠伝(六)金川の間違い」他一席
※下記自主制作カセットテープ(過去の高座収録)「神田愛山の軌跡」販売あり。各2000円。
(十四)『花川戸助六伝寺西閑心』H19・6・16講談倶楽部・お江戸両国亭『花川戸助六伝伝次殺し』H19・10・17講談倶楽部・お江戸両国亭
(十五)『花見の付け人』H13・4・30愛山の会・お江戸日本橋亭『卒園式』H16・3・28・六畳庵・自宅
『愛山、終活始めます。聴いておくなら今。―講談は、ダンディズムである。』神田愛山愛山演題
結城昌治原作「始末屋卯三郎暗闇草紙初不動地獄の証文」
講談私小説「ある講釈師の最期」
助演:玉川奈々福(浪曲一席)
2/24(土)13:00・浅草木馬亭(台東区浅草2ー7ー5)自由席・予約3000円・当日3500円
予約:ななふく本舗
tamamiho55@yahoo.co.jp 090ー7001ー6867
『神田愛山・宝井琴調~春の会』3/9(金)19:00
らくごカフェ
2000円
「幡随院長兵衛の生い立ち」愛山
「祐天吉松、飛鳥山親子の出会い」琴調
(仲入り)
「中村仲蔵」琴調
「三十三間堂誉れの通し矢」愛山