講談で一番難しいのが金襖(きんぶすま)物といわれるお家騒動やお裁きを題材にした読み物です。
……小杉健治さんの書かれるミステリーは非常にわかりやすく、読みやすいのですが、この『裁判員ーもうひとつの評議』は素晴らしい作品です。
裁判員制度をテーマにしていますが、この制度の矛盾点、裁判員に選ばれてしまった者の苦悩、そして必然的に冤罪が生まれざるを得ない戦慄すべき裁判の本質……。
これらのことが小杉さんの筆に乗せて、実によく解りました。
わたしは激しい怒りを込めて裁判員制度反対を唱えます。
そして裁判の目的は事の真相を明らかにすることではなく、検事と弁護士と裁判官による法律ゲームにほかならないと痛感しました。
極論すればこのゲームにおいては被告人と被害者はなおざりにされてしまうのです。
どうかみなさん、この本を図書館か古書店で探されて、ぜひ、ぜひ、ご一読ください。
裁判員制度問題は、この一冊に限ります。
小杉さんはよくぞここまで書かれたものです。
『神田愛山・宝井琴調~夏の会』9/1(金)19:00
らくごカフェ(神保町駅A6・神保町交差点古書センタービル5F…ビル裏口エレベーターより・降りて左・千代田区神田神保町2ー3)
2000円(ブログプリント持参割引有)
「(天保水滸伝)笹川の花会」琴調
「小夜衣草紙」愛山
(仲入り)
「将棋のご意見」愛山
「(柳沢昇進録)浅妻船」琴調
『神田愛山独演会』9/29(金)19:30
らくごカフェ
2000円(ブログプリント持参割引有り)
愛山演題~結城昌治原作『斬に処す』より「甲州遊侠伝(四)勝蔵の長旅」他一席
※下記の自主制作カセットテープ(過去の高座収録)「神田愛山の軌跡」販売あり。
(五)『母の最期(上)』『(下)』(H16・10・30神田愛山の会・お江戸両国亭)
(六)『ガラガラおじさん』『励ましメール』『あの世まで』(H16・1・10プロアマ対抗戦・お江戸上野広小路亭)