わたしはその存在をまったく知らなかったのですが、先輩の落語家から『近頃世間に怪談師なる者がはびこってきたよ』と教えてもらいました。
これは見かけは講釈師か噺家にしか見えない怪談の語り部のことなのですが『夏はお化けで飯を食う講釈師は商売が上がったりになるね』と、その先輩がいったのは、亡師二代目山陽が創った講釈師の米櫃を詠んだ川柳“冬は義士夏はお化けで飯を喰い”を洒落ているわけですが、こうした怪談師に限らず(怪談師が職業化されているなどという話は聞いたことがありませんので)プロとしての修行をつんでいない素人が本職の芸人と称して地方に点在し、その中には講釈師を名乗る者もいるようです。
が、べつに法を冒しているわけではありませんし、講釈師は国家資格でもありませんから(笑)彼らを取り締まることはできません。
「自分は講釈師」といえば、それでその人は講釈師なのです。誰でもすぐに講釈師になれます。あなたもぜひどうぞ(笑)。
そんな彼らが東京や大阪に現れないのは「おまえは何者だ!」と、すぐに化けの皮がはがれてしまうからです。
……論より証拠、琴調さんとの会でプロの真髄をお目にかけましょう(笑)。
わたしの「忠治の娘」こそ、嗚呼、ダンディズム!
『神田愛山・宝井琴調~夏の会』
8/10(水)19:00
らくごカフェ(神保町駅A6・神保町交差点古書センタービル5F…ビル裏口エレベーターより・降りて左・千代田区神田神保町2ー3)
2000円(ブログプリント持参割引有)
「隅田川乗っ切り」琴調
「忠治の娘」愛山
(仲入り)
「若山牧水酒の歌」愛山
「五貫裁き」琴調