徳川に忠誠を尽くし、五稜郭で果てた旧幕臣の兵士たちに、わたしはどうしても伝統芸の崩壊、男性講釈師たちの末路を合わせみてしまいます。
五稜郭に押し寄せる官軍が女流講談となります。
時代の波が、お客が、女流講談を好むのであれば、それはそれで仕方がないことでありましょう。
政権交代です。
しかしいくら敗軍の将とはいいながら、越前北の庄の城に火を放ち自刃した柴田権六勝家のように、せめて散りぎわだけは毅然としていたい。
で、ひょっとするとわたしは「神田愛山・柳家喬太郎二人会」で、喬太郎さんに、伝統芸に殉ずるわたしの介錯を頼んでいるのかもしれません。
この人の介錯ならば、喜んで散れるでしょう。
この会を始めて15年は経っていると思いますが、今さらのように気がつきました。
毎回介錯人をつとめてくださる喬太郎さんにはご苦労なことです(笑)。
いいかげんに「早く死ね!」でありましょう(大笑)。
『神田愛山・柳家喬太郎二人会』
6/30(木)18:00
お江戸両国亭(JR両国駅東口歩8分・大江戸線両国駅A5歩6分・京葉道路沿い・墨田区両国4ー30ー4)
2000円(自由席・予約不可・割引なし)
けん玉・神田春陽
「禁酒番屋」柳家喬太郎
「(天保水滸伝)三浦屋孫次郎の義侠」神田愛山
(仲入り)
「(露地野裏人作)ご近所大戦」神田愛山
「おたのしみ」柳家喬太郎
※「ベラ 私小説掌編集」神田愛山著・B6版76頁(「ダンボールの位牌」「出身地」「ベラ」の三篇)1000円(税別)販売あり