平成二年に亡くなられた作家の結城昌治先生は大の寄席好きで、その結城先生の知遇を得ただけで、わたしは講釈師冥利に尽きると思っています。
わたしは中学三年の頃からの骨の髄までの結城ファンなのです。
……で、先日本棚の先生の本の配列を刊行順に変えてみました。とても楽しい作業でした。
わたしは先生の全作品を読破しているつもりですが、装丁の違うものや、単行本は所持していても文庫本は持っていないもの、またその逆のパターンもあり、それらの本を探し求めて古本屋や古書市を巡ることを無上の喜びとしております。
……が、今は(わたしはやりませんので知人に頼んで)ネットのおかげで入手不可能と思っていた結城本が手に入ることがあり、つくづく時代の流れを感じます。
わたしの今後の読書ローテーションは他の作家の本を3冊、そして4冊目に結城本。
生涯をかけて結城作品を改めて読み直してみたいと思っております。
……今年は久しぶりに先生原作の「仕立屋銀次隠し台帳」や「始末屋卯三郎暗闇草紙」を、どこかでやってみましょうかねえ。
ところで今度の高岡講談会では受付で拙著「ベラ 私小説掌編集」を販売させていただきますので、北陸地方の皆様お買い上げのほど何卒よろしくお願い申し上げます。
この本に収めた「出身地」を講談として演じますので、同じテーマによる小説と話芸の味わいの違いをご鑑賞ください。滅多にない機会だと思います。
『第10回高岡講談会』
4/17(日)13:30
富山県高岡文化ホール(多目的ホール・JR越中中川駅下車徒歩3分・高岡市中川園町13ー1)
1500円(ブログプリント持参割引なし・高校生以下500円)
「(難波戦記)真田幸村大坂入城」神田愛山
「応挙の幽霊」「(荒井到作)志をもつ男、伊能忠敬物語」神門久子
「(神田愛山著『ベラ 私小説掌編集』より)出身地」神田愛山
※「ベラ 私小説掌編集」神田愛山著・B6版76頁(「ダンボールの位牌」「出身地」「ベラ」の三篇)1000円(税別)販売あり