ご政道批判

《筋違い》
　他の乗客を巻き添えにして、新幹線車内で焼身自殺を図った男がおりましたが、自殺の原因は生活苦であり、かねてから「年金が安い」とぼやき、日本年金機構に深い怨みを抱いていたといいますが、それならばどうして日本年金機構の敷地内で自殺をとげなかったのか……。
　そうすれば「年金問題に抗議の自殺」とも「日本年金機構に天誅を下した」ともいわれ、すこしは武士道の匂いを嗅ぐこともできましたでしょうに……。
　不特定多数の一般市民に迷惑を及ぼす新幹線を自殺の場に選ぶなどとは、明らかに筋違いでありましょう。

《ご政道批判》
　江戸時代中期の講釈師馬場文耕は「金森騒動」という読み物で幕府の誤ったご政道を痛烈に批判!
　為に磔（はりつけ）獄門に処せられましたが、馬に乗せられて市中引き回しの最中、江戸っ子たちは「待ってました、文耕!」「よく言ってくれた」と、ヤンヤの喝采を浴びせたと申します。
　……総理を批判した落書きが発見されたそうですが、この報に接したときにわたしはまず馬場文耕のことを思い出しました。
　この落書きは現代のご政道批判なのかもしれません。
　軽犯罪法違反を咎めるならば、多くの憲法学者たちが違憲と判断する法案を強行に成立させようとしている者こそ咎めてください。

《行商》
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