戦前から昭和30年代にかけての探偵小説の味わいをそのままに、現代の探偵小説を提示しようとの動きが20年くらい前からあって、その一連の作家の中の一冊を(13年前に書かれたもの)地元図書館の廃棄図書で入手。
早速読んでみましたが、いやはやこれがひどいの何の!
奇をてらった荒唐無稽で楽屋落ちの、マニアだけを相手にした謎解きパズルのような作品で、とても小説と呼べるものではありませんでした。
今ではベテランといわれている作家の作品がこれですから、他の作家の書いたものも推して知るべしでありましょう。
この人たちが表現しているものは明らかに文学とは違うジャンルです。
講談の「徳川天一坊」のほうがはるかに探偵小説的であり、江戸川乱歩先生が絶賛したわけです。
……とまあ我が田に水を引いたところで、独演会での、わたしの「徳川天一坊」を、ぜひ聴きにいらしてくださいませ。
「神田愛山独演会」
11/28(金)19:30
らくごカフェ(神保町駅A6・神保町交差点岩波ブックセンター隣古書センタービル5F…ビル裏口エレベーターより・降りて左・千代田区神田神保町2ー3)
2000円(ブログプリント持参割引有り)
愛山演題「徳川天一坊(七)三枝金三郎」他一席