客席でよく姿を見かけるアマチュア講釈師(以下アマ講)のAさんから「多くのアマ講さんたちは、講談の型だけがほしいのであって、伝統はいらないのですよ」といわれました。
内部告発に近いこの言葉は、講談のテクニックを学びに講師の元には通いますが、講談を聴きに講釈場には現れない多くのアマ講さんたちを痛烈に皮肉っているのです。
講談がうまくなりたいと思ったら、講談を聴かなければダメです。
これは当然のことでしょう。
また講談の伝統は講釈場の客席に座ってはじめて体感できるのです。
自分の身に伝統の匂いが染みるのです。
その講釈場に通わず、伝統の匂いが漂わないアマ講さんたちの講談は、素人芸としての芸にまでも昇華されないでしょう。
Aさんは「アマ講さんたちと、プロの講談の先生方の個々の芸の違いを話したいのに、それができないのですよ」ともいわれましたが、その通りだと思います。
ちなみにわたしの独演会に来場されるアマ講さんは、Aさんを含めた数人のみです……。
「神田愛山独演会」
11/29(金)19:30
らくごカフェ(神保町駅A6・神保町交差点岩波ブックセンター隣古書センタービル5F…ビル裏口エレベーターより・降りて左・千代田区神田神保町2ー3)
2000円(ブログプリント持参割引有り)
愛山演題「徳川天一坊(一)名君と名奉行」他一席