携帯電話紛失騒動記
 三月三十一日土曜日のことでございました。この日は冬の嵐になるという予報が出ておりましたが、わたしは十一時半頃に外出。当初予定しておりました散歩を強風のためにあきらめて、買い物だけをすませますと、一時間後に帰宅いたしました。
 そして雑用を片づけて、古川柳の本を読み始めてから数十分後に、コタツの上の定位置に携帯電話がないことに気づきました。
 わたしは「まだジャンパーから出していなかったのか」と、軽い気持ちで買い物に着ていったジャンパーのポケットをまさぐったところ……ないのです!携帯電話がないのです!
 慌てて家宅捜索しても見つからず、わたしはいつもマナーモードに設定しておりますから、固定電話から自分の携帯電話に電話をしても着信ベルは鳴らずに、仮に室内にあったにせよ、どこにあるかはわからないとは充分に承知の上で、藁にもすがる思いでかけてみたところ、つながることはつながりましたが、すでに携帯電話の電源がオフにされている反応がありました。
 呼び出しベルが鳴らずに、いきなり留守録メッセージが流れてきたのです。
 そこで今度はスーパーに電話をして落とし物を調べてもらっても、再々度家宅捜索をしても見つからずに、わたしは急ぎヘイユー(仮名・わたしが契約している携帯電話会社)に電話して回線をストップさせ、それからいつの間にか降り出しました大雨の中を(まさに冬の嵐でした)アパートからスーパーまでの道を何度も往復して探しましたが発見できません(たとえ見つかったところで、雨のために携帯電話は壊れてしまっていることでしょうが)。
 万策尽きたわたしは駅前のヘイユーショップへ駆け込んで今後のことを相談いたしました。
 わたしに応対してくれた女性スタッフは実に冷静で、さまざまな可能性を教えてくれましたが「失礼ですが交番へは行かれましたか?」と尋ねてきました。
 が、わたしはうかつにも交番のことはまったく頭にはありませんでした。
 やはりわたしはかなり気が動転していたのです(それに交番へ行ったところで、どうせ届いているわけはないという人間不信の思いが、わたしの無意識にはありました)。
 で、女性スタッフのアドバイスを受けて、ダメで元々のつもりで交番へ行ったところ……親切な方が住所氏名を告げることなく届けておいてくれたのです!
 どうやらわたしは買い物をすませてスーパーを出たところで、携帯電話を落としてしまったようなのですが、とにかく強風の中を歩くことだけに神経を集中させていて、落としたことに気がつかなかったのです。
 わたしの携帯電話を拾ってくれた方は、まだ雨が降り出す前に交番へ届けておいてくれましたから、もちろん雨にも濡れずに損傷もなく、すぐに回線ストップを解除して、また元通りに使えるようになったという、神田愛山が人の親切に涙した「携帯電話紛失騒動記」と題しましたおめでたい一席。これをもって読み終わりといたします。

……ゴールデンウィークに「携帯電話発見祝六畳庵」を開きます。六畳庵とは、わたしの自宅六畳間で開く不定期開催の講談会のことです。4/28~5/7の間でお好きな日時(昼のみ・原則的には14:00)をご予約願います。最少催行人数2名様より。2000円。愛山二席。予約03ー3430ー6615愛山工房(締切は希望なされる日の一週間前)
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by aizan49222 | 2012-04-05 10:17 | 愛山メッセージ


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