《柿》行きつけのスーパーから柿が消えて、短い秋が終わったことを知りました。毎日食べていただけに、とても淋しいです。柿とスイカとナスのお新香と、落花生にあんころ餅が、わたしの大好物なのです。つくづく安上がりな男だと思います。
《股引》わたしが二つ目の頃六代目小金井芦州先生が、革ジャンにツナギのジーンズで楽屋入りされたことがあります(先生は六十代でした)。大体が洒落者の先生でしたが、その若々しい姿に一同はビックリ仰天……が、ジーンズの下には、しっかりと股引をはいておられました(笑)。
わたしにとって股引は老人の象徴でしたが、七、八年前から、わたしは真冬の一、二月に限定して股引をはくようになってしまい、ついに今年は年末から着用しています。
夜になると股引に綿入れ、マフラーを巻いて、毛糸の帽子をかぶって家にいます(コロコロスタイルというそうですね)。
けっして色っぽくはありませんが、この姿でいれば必要最低限度の暖房ですみます。
昨年の同時期に比べて27%の節電だそうです。東電様の料金請求書に書いてありました。
《コンピューターと将棋》かねてからコンピューター関係者は「プロ棋士よりも強い将棋ソフトを開発したい」といい、実際にここのところ女流棋士や男性引退棋士がコンピューターと対局して敗れておりますが、もうこんなことはおやめになったほうがよろしいですよ。
人間には感情の流れがあり、たえず平静でいられるわけがありませんし、時間が経てば疲れてミスもおかしますが、コンピューターは疲れることがなく、したがって疲れによるミスはおかしません。
ですから同じ棋力をもっていると仮定して、疲れる人間と、疲れないコンピューターが対局すれば、疲れないコンピューターのほうが、最初から圧倒的に有利ではありませんか。
そんなにコンピューターを自慢したいならば、コンピューター関係者は「疲れる強い将棋ソフト」を開発して、プロ棋士と対局させ、そして負かすべきです。
……さ、能書きはこのくらいにして、これから将棋ゲームで遊ぼうっと。