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文明
 《エアコン》もちろん節電の意味合いもありますが、わたしは室温が30度を越えましても、来客でもない限り、エアコンをつける気にはなれません。
 子供の頃からの「クーラーは贅沢だ」という思いが骨の髄まで染み込んでしまっているのです。
 それでも未練たらしくモノは試しと何度かつけてみたことはあるのですが、そのつど「おまえには分不相応である」という罪の意識に苛まれて、涼しくなるどころか逆に冷や汗をかいてしまいます。
 それにしても節電のためにエアコンをつけることなく熱中症で倒れ、亡くなった方々の話は痛ましい限りです。殉国という言葉を思い出しました。

《携帯電話》過日深夜に携帯メールを打っておりましたら、突然フリーズ!どのキーを押しても一切反応しません!いや驚きました!で、翌日朝一で営業所へ。直ることは直りましたが、わたしの携帯電話は一年後には周波数変更にともない使えなくなる古い機種ですから、店員さんの忠告に従い機種変更をいたしました。
 が、壊れてはいないものを、世の中の都合で新しくしなければいけない決断は、身を切られる辛さがあります。
とかく新しいものとの交換を迫る世の中ですが、長年手元に置いて馴染んできたものに抱く「愛おしい」という感情が希薄になっているからでしょう。
愛おしいものは安くて便利なものとは交換できません。

《パソコン》高齢者ドライバーの運転ミスによる大事故があり、マスコミの取材を受けた捜査関係者の一人が「こうした高齢者ドライバーの事故を防ぐために、講習の数を増やしたりしても、あまり効果は期待できない。あくまでも本人の自覚の問題」と語っておりました。
要するに己の年齢を考えて、ほどほどのところで車の運転から身をひきなさいということであります。
それで思い出しましたのは、五、六年前にある電気街を訪れましたときに、定年を迎える六十才以上の人を優遇するパソコンセールが、やたらに目についたことです。
曰わく「第二の人生のお楽しみにパソコンを!」といった謳い文句でしたが、わたしは違和感を覚えました。
 メカニズムに強く、(仮に強くなくても)身近に相談相手がいて、しかも操作中のトラブルにもパニックにおちいらない性格の方ならば、生涯パソコンライフを満喫できましょうが、わたしのように神経質で不器用な者には、高齢になってのパソコンは無理です。
 その進歩に、とてもついてはいけないでしょうし、おまけに進歩する文明は取り残される者に対して、さらに不親切となりますから、ますます解らなくなるのは理の当然となります。
 しかしやむをえません。
わたしはもうすこしパソコンの恩恵にあずかり、ほどほどのところでいさぎよくパソコンから身をひくことにいたします。
by aizan49222 | 2011-07-08 14:37 | 愛山メッセージ


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