わたしは長い間中野で暮らしておりました関係で、学生の頃から、よく高円寺を訪れました。古本屋を巡るためです。
もちろん早稲田にも神保町にも出向きましたが、この高円寺が、わたしにはいちばん馴染みました。
講談本と、その頃お気に入りのミステリー探しです(結城昌治・佐野洋・三好徹・鮎川哲也・土屋隆夫・草野唯雄・中町信・天藤真・レイモンドチャンドラー・ロスマクドナルド)。
そして先日師走の息抜きのために久しぶりに高円寺へ出かけてみましたが、学生時代から親しんだ某古書店の店主が(穏やかな学者といった風貌です)まさに老人と思えるほど老け込んでいたのには驚きました。
もっともわたしがこの店を初めて訪れてから三十七年が経っているのですから、当たり前といえば当たり前ですが、歳月は確実に流れているのです。
高円寺の街の風景も、だいぶ変わってきています。
しかしその歳月の流れを、まるで気にしないかのように、この古書店内の様子は、すこしも変わってはおりません。
この古本屋さんは、この店主の代で終わるなと、わたしは痛感しました。
そしてこの古本屋さんがある限り、わたしは今後も高円寺へ足を向けるつもりでおります。
年の瀬や犬ゆつくりと振り返る
どうか皆さま、よいお年を!