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信号機トラブル
 それぞれのリズムがありますから、芸人の楽屋入りの時間は様々ですが、わたしは神経の切り替えにだいぶ時間を要しますので、楽屋入りはかなり早いのですが、その日は平素にくらべて、さらに早くアパートを出たといいますのに、小田急線信号機トラブルに巻き込まれてしまい、電車が90分も動かないという状況に追い込まれてしまいました。
 信号機もトラブりましたが、わたしの神経もトラブりました。
 まず携帯で楽屋の前座さんに第一報を入れ(このときには腹の底から突き上げてくる焦燥感がありました。ペリーの黒船に驚いた江戸庶民と同じ驚きです)その後何本かのメールを入れました。
「まだ動かない」(焦燥感を抑えるのに懸命です。両手両膝が震えてきました)
「復旧の見込み立たずとのアナウンスあり」(徐々に諦めの境地に達しています。胃が熱くただれているような感じです)
「高座は絶望だけど、とにかく向かうよ」(万策尽きて、もはや手の打ちようがないと、気分は落ち着きました。マイナスの安定です)
 やがて電車は動き出しましたが、兄弟子が二度上がりをして時間をつないでくれても、やはりわたしは本牧亭の高座には間に合いませんでした。
 わたしが楽屋に入りますと、すでにトリの妹弟子が高座に上がっています。わたしは関係者たちに詫びをいれました。
 が、わたしが到着予定時間を知らせておきましたので、楽屋では、わたしがトリのあとに上がる段取りをつけていてくれたのです。
 わたしは大トリとして講談私小説「酒の染み」を演じて事なきを得ましたが、まさにこの日ばかりは「携帯さんよ有難う」でありました。



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by aizan49222 | 2010-10-12 10:46 | 愛山メッセージ


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