追悼句
昇りたるトロンボーンや蝉の鳴く
子供の頃、クレージーキャッツでは植木等さんに続いて、谷啓さんのことが好きになりました。
園まりさんと共演したテレビドラマに夢中になり、野川由美子さんを相手役にした主演映画も観ています(このときの主題歌はいかにも谷さんらしいトボケた味わいでした)。
父親は「出てくるだけで面白い」と谷さんを評し、わたしはファンレターを書きました。
そして谷さんが無類の照れ屋であることを知ってからは、なお一層の親近感を抱きました。
また全員が一流のミュージシャンであるクレージーキャッツの音楽コントのほとんどは、谷さんのアイデアと聞いています。
わたしに音楽センスがあったら、まず間違いなくコミックバンドを結成していたはずです。
この思いは明らかに谷さんの影響です。
そしてこれは何十年前か覚えていませんが、誰かのパーティーに出席したときに、ふとかたわらを見たら谷さんがおられました。
トロンボーン漫談のボン・サイト師と話をしておられましたが、谷さんは小柄な方で、目をパチパチさせながら笑っておられました。
わたしが憧れに憧れたクレージーキャッツのメンバーが、また一人お亡くなりになられました。
まったくやるせない思いです。合掌。