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1分待ち
 某新聞社の年配の記者さんから「今は我々もワープロで原稿を書かないことには商売になりませんよ。みんな四苦八苦しています」と聞かされましたのは、もう17、8年も前のことになりましょうか。
 そしてそれから数年後には、知人のサラリーマンから「パソコンは肩たたきですよ。一種の退職勧告です。パソコンを覚えられなかったら、会社をやめてくれといってるも同じですよ」と嘆かれました。
 ことほどさように現代文明についていけなくなってしまったときに、人は老いを感じるのかもしれません。

 ところでわたしがパソコンを妹弟子からもらったのは8年くらい前だったと思いますが、ワープロ機能とゲームだけを楽しんでいればよかったものを、機械いじりとメカニックが大の苦手なことには目をつむっての見切り発車で、オレも人並みにインターネットとメールとやらをやってみたいなどという欲をだしてしまったことが、今思えば分不相応であったのかもしれません。
 もちろん接続設定は人まかせ。
 おかげでインターネットもメールも使えるようにはなったのですが、パソコンのトラブルに対応できないことには、我ながら驚きました(パソコン用語が理解できませんし、解説文を読んでも意味不明)。とにかく全然ダメ!

 つい最近もこんなことがありました。
 Windows updateをしたところ、更新後にパソコンの様子が変わってしまいました。立ち
上げてから1分ほど待たないと正常に作動しなくなってしまったのです。
(本当はどういう風に質問してよいかさえわからないのですが、そんなことはいっておられません)プロバイダーやパソコンのメーカーに電話で問い合わせたところ、要するに更新に失敗してパソコンに不具合が生じてしまったらしいのです。
 パソコンメーカーのお姉ちゃんは「システムを復元しなくてはなりません。データが消える恐れがありますので、バックアップをおとりください」と、いとも簡単にいいましたが、わたしは心臓が飛び出さんばかりにドキドキしていて手が震え、緊張の極におりますから、たとえお姉ちゃんのサポートがあろうと、とても1人ではそんな作業はできません。

 それにある疑問もわいてきました。
 わたしは態度を保留して電話を切り、こうしたパソコンのトラブルの折に、いつも相談をもちかけている者の意見を聞くことにしました。
 するとその人から「コンピューターは、使えるならば、それでよしとしましょう。復元は完全ではありませんし(復元とやらで、本当にそんなに簡単に旧に復するのか……。これがわたしが感じていた一般常識の範疇にある疑問でした)それどころか無理やりに元の状態に戻すわけですから、却って悪くなることもあります。おすすめしません」という返事があり、わたしもこの考えに満足をして(この見解が間違っていてもよいのです。わたしは自分の行動に安心感を得たかったのです)完全に壊れるまでは、このまま使用することに決めました。立ち上げてから、たかだか1分待てばよいのです。
 わたしは復元によって、これ以上悪くなってしまうかもしれない可能性を避けたのです。

 かくしてわたしはトラブルを目の敵にして、いつも果たし合いの場に臨む気分で、パソコンの前に座っています。
 しかしいちばん腹立たしいのは、ここまでパソコンを不得手にしながらも、1人でも多くの人に神田愛山という講釈師の存在を知ってもらいたいと、このブログの原稿を書き、パソコンをやめることができない、わたし自身の煮え切らない態度なのであります。

……今後も本ブログのご愛読をよろしくお願い申し上げます(笑)。
by aizan49222 | 2010-07-01 00:36 | 愛山メッセージ


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