楽屋のモニターから、高座の某女流講釈師の笑い声が流れてきました。
しかし彼女が演者として読み物の中の登場人物に笑わせているわけではありません。
まだマクラの部分で、本人が地で笑っているのです(高座中に自分が笑うということは絶対にやってはいけないことなのですが)。
が、なんとも下品な笑い方です。
下品な芸は本当にいやです。
劣悪な芸のほうが、まだ救いがあります。
前座に「モニターを切れ!」と命じようとした瞬間、わたしは自分の生の高座をモニターで聴いてみたいという欲求にとらわれてしまいました。
わたしは、わたしの高座を、一体どう評するというのでしょうか……。