今度の独演会(3/26(金)19時・らくごカフェ(神保町交差点・古書センタービル5F)2千円)で「天保水滸伝(六)平手造酒の最期」の他に演じる新作は「投稿マニア」に決めました。この読み物は、ある日の楽屋で、わたしと親しい落語家が「新聞の読者欄って面白いですねえ」といい、それからしばらく経った楽屋で、先輩の落語家が「新聞の読者欄を読んでいて奇妙だと思った話」をしてくれましたが、この二つがヒントになって10年くらい前に出来上がった作品です。
この読み物を参考になさって、あなたも講談を創ってみませんか!?
……「男性の骨格美」であり「ダンディズム」が根底に流れる伝統芸としての講談は、わたしと(わたしの同期である)宝井琴調の代で終わりを告げます。もはや講談の寿命なのです。伝統芸の終焉です。
そしてその後は伝統芸である講談から話術だけを利用して派生した新しい芸能である女流講談の天下となります。そのことは火を見るよりも明らかです。講談が女性の職業となってしまったのです。
東京の講談界に限っていえば、わたしと琴調より後輩の男性講釈師も何人かはおりますが、女流の数の前には、とても太刀打ちできないでしょう。
ですから近未来においては女流講釈師の色物として、男性講釈師が夜露をしのぐことになります。
しかしまことに皮肉なことには、その頃には男性講釈師に希少価値が出て、売れっ子になる確率も高いのですが……(笑)。