わたしは野良猫が好きで、これまでにも何匹か手なづけてきましたが、今の住まいは野良猫と遊べる環境にはなく、すこし欲求不満になりかかっておりましたが、その思いが、猫の代わりに鳥を手なづけてやろう。巣箱を庭に置いてやろうという発想につながったのかもしれません。
で、早速地元のホームセンターに行って718円の巣箱を買ってきました。一番安かったのは600円のものでしたが、これは一間で狭く、まるで独房のような感がしましたので、二間ある718円のものにしたわけです。
しかしわたしには鳥に関する知識など何もありませんし、カラスに荒らされても困りますので、餌を置くつもりもありません。ただ巣箱をセットするだけ。
これで本当に鳥が入居してくれるのでしょうか?
このブログも、読んでくれる人がいるかどうかもわからないのに、とりあえずこうして開設だけはしたのです。
つまり巣箱を求めた発想とまったく同じなのであります。
……昨年末に田辺一鶴先生が亡くなられました。わたしが先生の講談を初めて聴きましたのは、もちろん出世作となりました「東京オリンピック」。NHKテレビの放送で、子共心にも、ずいぶんにぎやかな講談だなと思った記憶があります。高座を離れても非常にお喋りな先生で、その頃の講釈場の若き定連で、後に漫才師となりました高峰天童(故人)を喫茶店に誘い込み、天童に一言も喋らせることなく、自分の好きな将棋の話を口角泡を飛ばして二時間語り込んだという有名な話が残されています。
しかし、その別れ際、さすがに天童が一言。
「先生、私は将棋をまるで知らないんです!」
いつも重い鞄を抱えて、トンカツが埋没するかと思うほどにビチャビチャとソースをかけ、先生の複雑な生い立ちを聞かされて、あの破天荒な高座は、その複雑な生い立ちに原因があったのではないかと分析できたのは、お亡くなりになられる数ヶ月前のことでありました。楽屋でずいぶん将棋を指しましたが、将棋だけは本格派で(失礼)その内にふらりとお邪魔して、お稽古をお願いしようと思っていた矢先の訃報でありました。
先生は大勢のアマチュアの方に講談を教えておられましたが、わたしも教えています。
その発表会の席へ、ぜひともご来場下さいませ。
「神田愛山とアマ弟子(露地野一門)の会~結城昌治作品集」
2/28(日)13:30
らくごカフェ(神保町駅A6出口・神保町交差点・岩波ブックセンター隣・古書センタービル5F)
2千円(ブログプリント持参割引有り)
「結城噺」神田愛山
「遺書」露地野一文(神村昌志)
「替玉計画」露地野ぼん子(神門久子)
「ものぐさ太郎」「葬式婆さん」神田愛山