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年忘れコタン講談会
 わたしが初めて鬱気分を鬱として意識しましたのは、小学一、二年の頃に近所を歩いていて、どこからか童謡の「春よ来い」(作詞・弘田龍太郎 作曲・相馬御風)が流れてきたときのことです。
 この歌を聴いた途端に、わたしは学校へいくのはイヤだ、人に会うのはイヤだという思いに囚われてしまいました。
 春という言葉が新学期を連想させたからでしょう。
 大正後期に創られた名曲に間違いはありませんが、わたしはいまだにこの歌が苦手です。
 心の病との付き合いはそれ以来ですが、今朝も漠然とした焦燥感を引きずって目が覚めました。

 が、これが普通。わたしにとっては当たり前の朝なのです。
 わたしの楽屋の友人に「厄介事に巻き込まれ、どんなに不快で面倒な状況にあろうと、夜はぐっすり寝られるよ」という男がいて、人から「おまえは今ぐっすり寝てる場合じゃないだろう」といわれ、自分でも「そうだ。その通りだ。おれは今ぐっすり寝てる場合じゃない……とは思うけど、それでもやっぱりぐっすり寝られる」というのです。
 とても健康で、そして強い男だと、つくづく思います。

 ……暮れに入ります。赤穂義士伝の季節です。この読み物は講談の中でも別格扱いを受けます。
 ぜひとも忙中の閑をみつけていただきまして「コタン講談会」へのご来場をよろしくお願い申し上げます。

 なお終演後お時間のある方は打ち上げをいたしましょう。そのまま客席へお残りください(別途料金)。

「第13回コタン講談会」12/3(金)19:30
・ライブハウス四谷コタン(新宿区若葉1ー9金峰ビル101)
・2000円+ワンドリンクオーダー制(ブログプリント持参割引なし)四ッ谷駅(四ッ谷見附交差点側)を出て
 新宿通りを上智大学とは反対方向に直進5分ほど歩くと左側にジョナサンあり左折初角を右折突き当たって左折15mほど先左側ビル~
・「前講」神門久子・「(講談ショートショート)あの時の男」「(赤穂義士銘々伝)赤垣源蔵徳利の別れ」神田愛山
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by aizan49222 | 2010-11-26 10:38 | 愛山メッセージ
誕生日の独演会
 この世でいちばん幸せな人とは「来世も自分に生まれ変わりたいと思っている人」だそうですが、わたしなどはとてもそんな境地にはいたっておりません。
 ただ「もう一度こんな自分に生まれ変わっても仕方がないかな」とは思っております。
 しかしそれは何も自分の人生を若干なりとも肯定しているからではなく、こんな自分を否定してしまったら、あまりにもこんな自分が哀れであるからです。

 わたしの57回目の誕生日が図らずも独演会の当日となりました。
 新作のCDも発売いたします。
 57才児のお誕生会に、ぜひともご来場賜りますよう伏してお願い申し上げます。

「神田愛山独演会」11/26(金)19時
・らくごカフェ(神保町駅A6出口・神保町交差点岩波ブックセンター隣・古書センタービル5F
 (ビル裏口エレベーターよりお乗りください。降りて左)千代田区神田神保町2ー3)
・2000円(ブログプリント持参割引有り)
・愛山演題「鼠小僧次郎吉伝(三)箱根の湯治場」他新作一席

…木戸にて自主制作CD販売「(赤穂義士銘々伝)勝田新左衛門」「(露地野裏人)初夢の女」
 (通販はいたしません・愛山主催会及びらくごカフェご来店時の対面販売限定)
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by aizan49222 | 2010-11-21 17:15 | 愛山メッセージ
わたしの強迫神経症~印鑑編
 肉体の病気とは違い、神経症という病は、なかなかご理解いただけないかもしれませんが、わたしの強迫神経症のことを、とても恥ずかしいことではあるのですが、できるだけご理解いただけるように書いてみます。

 強迫神経症とは「普通の人が100グラムの重圧ですませられる気になることが1キロの重圧となって頭全体に広がり、しかもその観念が命令形となって実行を迫り、その観念を振り払おうとすればするほど、逆に衝き動かされるようにしてその命令に従い、同じ行動を何度も繰り返してしまう病気」と認識していただければ、大体のところはイメージしていただけるかと思います。

 よく心配事にはキリがないといわれ、人はほどのよいところで心配することを切り上げますが、切り上げることができずに、心配事のキリの中で悶え、さ迷い歩いているのが強迫神経症者なのです。
 わたしの症状は色々ありますが、その中のひとつに印鑑恐怖があります。
 わたしは公式書類への捺印が大の苦手で、かすれてはいけない、曲がってはいけない、欠けてはいけないという意識が強く働き、冷静になろうとすればするほど激しく手が震えて、何とか捺印を終えても、その後印鑑を上げられなくなってしまいます。

 しかし宅配便受け取りや、回覧版に押印するときには、手は震えません。普通に押せます。
 ですからわたしは印を押すことが苦手なのではなくて、役所への届け出や確定申告、不動産屋から送られてくるアパートの契約更新等の書類が怖いのです。
 わたしにとっての役所や税務署は国家権力の象徴であり、不動産屋は、わたしの生殺与奪の権利を握っています。

 つまりわたしは記入ミスを恐れているわけではなく、書類を書き損じることによって生ずる彼らの報復攻撃を怖がっているのです。
 国家権力を敵にまわせば逮捕されてしまいますし、不動産屋の指示通りに書類を書かなければ、わたしは部屋を追い出されて死んでしまいます。
 この両者は、わたしに有無をいわせません。わたしはこの両者に対してはまったくの無力なのです。この両者に腹を立てられたら、わたしは地面に額をこすりつけて許しを乞う以外にはありません。

 ……ここまで読まれて、わたしがまるで子供のような被害妄想に冒されているというご指摘があれば、それは甘受しますが、とにかくわたしの心の奥底では、そういうことを怖がっているのです。だから手が震えるのです。
 宅配便受け取りや、回覧版の押印には、逮捕や生死の問題はからみません。だから気楽に判を押せるのです。
 幼少期に一度として親にほめられたことのなかったわたしは、世の中に対して異常なほどの警戒心を抱き、たえず身構えて生きてきました。
 そしていつのまにかわたしは「緊張というフィルター」を通さないことには、世の中を見ることができなくなってしまったのです。
 つまりわたしは平常心からして緊張しているわけですから、ごく些細なことが、どうしても過度に不安になり、また怯えてしまいます。パニック症ともいわれます。

 しかしわたしはとにもかくにも今までこのフィルターを使って生きてきたわけですから、それはそれで馴染みもあって悪いことばかりでもありませんでしたから、今さら新しいフィルターに交換しろといわれても、なかなかに厄介な話なのです。
 それどころか新しいフィルターに交換したら、わたしの人格が崩壊してしまうかもしれません。
 要するにわたしの強迫神経症の原因は、わたし自身の生い立ちにあることは火を見るよりも明らかなのです。
 ……でも考えてみれば誰しもが、その場に直面すると緊張を強いられる苦手なものはあるわけです。

 が、わたしのように緊張を強いられる場面の半年も一年も前から緊張しているということは、ひょっとするとわたしは緊張する自分に緊張しているのかもしれません。

 わたしは緊張する自分を否定したいのかもしれません。
 しかしそれがかえって逆効果となり、いわゆる不安の先取りで、長期にわたる過度の緊張状態となってしまうのかもしれません。

たとえばわたしが自主制作しているCDでも、講談を部屋で録音するときに「絶対に間違えてはいけない!」と、間違えるかもしれない自分を打ち消して、完全無欠な講談を演じようとすればするほど、逆に緊張して間違えてしまいます。

 わたしは「間違いと緊張」を否定せずに、自我に組み込まなければいけないのです。
……実はあとひと月もすればアパートの契約更新書類が送られてくるのです(笑)。
 ですからわたしはすでに始まっている気の動転を鎮めるために、今、この原稿を書いているのです(笑)。
 さて今回の手の震えはどのくらいになりましょうか……(笑)。
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by aizan49222 | 2010-11-17 14:29 | 愛山メッセージ
愛山自主制作CD情報

新発売!
神田愛山自選講談集(10)「(赤穂義士銘々伝)勝田新左衛門」「(露地野裏人作)初夢の女」


(通販はいたしません。愛山主催会のみにて販売)
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by aizan49222 | 2010-11-12 18:00 | 愛山自主制作CD情報
携帯メール
 携帯電話を入手してから5年が経ちましたが、わたしがいちばん勉強になりましたのは
「世の中というものは、いちいち返事をしなくてもいいんだ」ということであります。
 (わたしはパソコンメールはやりませんから)必然携帯でメールのやりとりをする以外にはないのですが、
たとえ返事を求める内容のメールを送っても、返事をよこさない人が多いことには、ずいぶん驚かされました。

 こういうことは、すくなくともわたしの常識にはありません。
 しかも講談の若い人たちからも返事がないときがあるのです。
 わたしはメールを送っても、一日は返事を待ちます。
 しかし何日経過しても返事をよこさない同業の若い人たちには、本当に腹が立ちます。
 わたしの依頼に即答できなければ、とりあえずその旨を記した返事を送るのが当然の礼儀だと思われますが、
どうも彼らの感覚はそうではないようなのです。

 ですからそういう若い人たちには、こちらから改めて「ご多用中まことに恐れ入りますが」と
催促メールを出さない限り、返事はもらえません。

 ……しかし今は、その怒りもとおりこしてしまい、逆に、こういう連中は決して神経症にはならないだろうと感心して、
羨望の眼差しで眺めています。
 で、わたしも彼らの真似をして、気が向かなければ儀礼的な返事のためだけの返事を送ることはやめにしました。
たしかに楽ですね。
どうやらわたしはこの年齢となり、ようやく「返事をしないという返事」を覚えたようです。
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by aizan49222 | 2010-11-10 18:19 | 愛山メッセージ
清水の頃・中学時代(一)
 自宅である父親の会社の社宅の二階から中学校は見えました。学校などは家から近ければ、ただそれだけでよいのです。
 しかし中学校は小学校よりも、さらに広い地域から生徒が集まってきます。わたしは中学生になることがとても憂鬱でした。わたしはとにかく人間関係を構築することが苦手なのです。
 中学一年のときのことは、あまり記憶に残っていません。毎日の暮らしが無味乾燥としていたからかもしれません。わたしは集団の中に身をおいても、すこしも楽しくはありません。

 担任は数学の男の先生でしたが、ヘビースモーカーで、自分でもよほど懲りていたらしく「あんたっち(これが口癖)が大人になってタバコを吸っていたら、そのときは先生がとりあげる。そのくらいにタバコは体に悪いんだよ」といったことを覚えています。
 また「五輪の旗の色は青木組合(アオ・キ・クロ・ミドリ・アカ)と暗記しなさい」ともいっていました。そんなものを暗記しても仕方がないと、そのときは思いましたが、後年オリンピックが近づきますと、必ずそのことを思い出すのも妙な話です。

 二年のときのN先生はユニークな人でした。国語と体育の色の黒い細身の女の先生でしたが、毒舌とユーモアがまじった授業はとても面白く、独自の教育方針をおもちのようで、教室にもみなぎるような活気があふれていて団結力があり、わたしはこの先生が大好きでした。相性が合ったのです。学生時代で一番楽しかった一年であったかもしれません。

 Aという親友もできました。この男にわたしは小学校の頃にイチャモンをつけられて殴られたことがあるのですが、それが親友になってしまったというのも合縁奇縁なのでしょうか。彼とは何度か一緒に映画を観にいきました。もちろんクレージーキャッツです!

 ……そのAと土曜日の放課後遅くまで教室で遊んでいて、何かの悪さをして、校内を見まわっていた男の先生に見つかり、職員室前の廊下に正座をさせられたことがありました。
状況説明を求める先生に、Aは明らかな嘘をついています。
 その嘘がとおれば、わたしたちは無罪放免となり、わたしも同じ嘘をついたほうがいいとは思ったのですが、わたしは嘘をつくことができずに、逆に嘘をつかないほうが許してもらえると判断して、心の中でAにわびながら、わたしは正直に話しました。が、結局は許してもらえませんでした。

 嘘も方便といって、お釈迦様さえ許してくださっている自分の身を守るために必要な嘘を、わたしはどうしてもつくことができないのです。これは嘘をついてはいけないという道徳的な問題とは根本的に違います。嘘をつかないのではなく、嘘がつけないのです。他者への依存傾向が強くて、自我が弱いからなのでしょう……。

 入部したかった文芸部が有名無実の存在でありましたので、部活は野球に卓球に柔道部を転々としました。が、どれも長続きはしませんでした。運動神経はまるでダメであっても、少年はスポーツ選手に憧れるもので、当時のわたしもその例にもれなかったのです。


  初蝉や肩をいからし網の先


 この句は中学二年コースという雑誌に投稿したもので特選に選ばれました。選者は中村草田男さんで、その後わたしの俳句は中学生向けの新聞等でも何度か入選しました。学校の図書館で山中峯太郎さんが訳したコナンドイルの名探偵ホームズを借りまくり、星新一さんのショートショートを次から次へと読破したのもこの頃です(気に入った星さんの作品は弟に読んで聞かせました。落語も聴かせたことがあります)。
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by aizan49222 | 2010-11-05 10:56 | 愛山自伝・俳句と短歌
11~12月スケジュール
(一般客入場可能会限定・諸般の事情による変更はご容赦願います)
問・申込03ー3430ー6615愛山工房

「講談新宿亭」11/10(水)昼の部12:30・夜の部17:30
・新宿永谷ホール(西武新宿駅より職安通り方向グリーンプラザそば・新宿区歌舞伎町2ー45ー5)
・1500円(ブログプリント持参割引なし)
・愛山他日本講談協会会員交互出演(愛山夜の部トリ「講談私小説(五)ある講釈師の最期」)

「講談・落語たっぷり会」11/11(木)12/17(金)12:30
・お江戸日本橋亭(三越前駅A10出口中央通神田駅方向初角右数分・中央区日本橋本町3-1-6)
・2000円(ブログプリント持参割引有り)
・神田愛山・宝井琴調・立川談幸・三遊亭竜楽(11/11トリ「芝浜」竜楽・12/17トリ「貧の意地」琴調

「黒門町本牧亭講談定席」11/13(土)14(日)12/11(土)12:30
・日本料理本牧亭(黒門小学校そば・台東区上野1ー11ー9イマスサニービル1F)
・2300円(ブログプリント持参割引有り)愛山他日本講談協会会員交互出演

「講談広小路亭」11/18(木)12/24(金)11:50
・お江戸上野広小路亭(上野広小路交差点角・台東区上野1ー20ー10)
・2000円(ブログプリント持参割引なし)愛山他日本講談協会会員交互出演

「松丘亭寄席」11/24(水)12/22(水)19時
・多磨墓地永福寺(西武多摩川線多磨駅下車線路沿いに白糸台方面へ5分線路そば)
・500円以上(ブログプリント持参割引なし)
・神田愛山・林家時蔵・柳家蝠丸・瀧川鯉昇・三遊亭右左喜

「神田愛山独演会」11/26(金)19時
・らくごカフェ(神保町駅A6出口・神保町交差点岩波ブックセンター隣・古書センタービル5F
 (ビル裏口エレベーターよりお乗りください。降りて左)千代田区神田神保町2ー3)
・2000円(ブログプリント持参割引有り)愛山演題「鼠小僧次郎吉伝(三)箱根の湯治場」他新作一席

「第13回コタン講談会」12/3(金)19:30
・ライブハウス四谷コタン(新宿区若葉1ー9金峰ビル101)
・2000円+ワンドリンクオーダー制(ブログプリント持参割引なし)
・四ッ谷駅(四ッ谷見附交差点側)を出て新宿通りを上智大学とは反対方向に直進5分ほど歩くと左側に
 ジョナサンあり左折初角を右折突き当たって左折15mほど先左側ビル~
・「前講」神門久子・「(講談ショートショート)あの時の男」「(赤穂義士銘々伝)赤垣源蔵徳利の別れ」神田愛山

「神田愛山講談忘年会」12/25(土)13:00
・らくごカフェ・5000円(完全予約制・定員20名・ブログプリント持参割引なし)
・愛山演題「(赤穂義士銘々伝)二度目の清書」「(講談私小説新作ネタ下ろし)角袖」アマチュアへの公開稽古
・懇親会・CD(一席入り・出席者限定製作、後日の販売はいたしません)ワンドリンク軽食付

年末年始自宅講談会「六畳庵」12/29(水)~1/3(月)14:00
・狛江愛山宅(催行人数2名様より)2000円(ブログプリント持参割引なし)~愛山二席
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by aizan49222 | 2010-11-01 16:20 | 愛山出演スケジュール