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昨年の東日本大震災後、気象庁は「一年以内に首都直下型大地震がおきる」と記者会見でいっていました。
ところがそのあとからあとから、まるでヘタな鉄砲も数撃ちゃ当たるかの勢いで、学者や研究者たちが次から次へと大地震予想を出し続けて自説を主張。 今ではマグニチュード7クラスの首都直下型大地震が四年以内に70%の確率で発生ということで落ち着いているようですね(すると前記の気象庁の発言は一体どうなってしまうのでしょうか。いつのまにか消えてしまったようですねえ)。 わたしはこの大地震発生を煽り立てる情報過多に、もういいかげんウンザリです。 地震に備えろといっても、どこで被災するかわからないではありませんか。覚悟をかためるか、あきらめる以外にないではありませんか。 東日本大震災以降の大地震に関する一連の報道は、間違いなくわが国に鬱病と神経症患者を増やしていることでありましょう。 とにかくわたしは一生懸命に仕事をするだけです(みなさんも同じお気持ちだとは思いますが)。 ぜひとも「神田愛山・宝井琴調冬の会」へお越しください。 一時たりとも地震のことはお忘れください。 思考停止は、とても大事なことだと思います。 「神田愛山・宝井琴調~冬の会」2/10(金)19:00 ・らくごカフェ(地下鉄神保町駅A6出口・神保町交差点岩波ブックセンター隣古書センタービル5F…ビル裏口エレベーターよりお乗りください 5F降りて左・千代田区神田神保町2ー3) ・2000円(ブログプリント持参割引有り) ・「忠治山形屋」愛山「間垣平九郎」琴調(仲入り)「柳田格之進」琴調「講談私小説真剣師」愛山
4/22(日)らくごカフェ昼席(13:30開演)において「神田愛山とアマ弟子(露地野一門)の会」を開きますが、わたしのアマ弟子さん以外の方にも「道場破り」として高座を提供いたします。
持ち時間15~20分・参加費8000円(入場券4枚進呈)応募締切2月末日・募集人員3名・候補演題二席と共にお申し出ください。先着順。ただし未知の方や初参加の方には審査があります(別途審査料8000円)。審査員はわたしです。よろしければご参加ください。 (問・申込)03ー3430ー6615愛山工房
浴室の排水管詰まりを直しにきてくれた配管屋さんの、
「本当は毎日が望ましいのですが、せめて三日に一度くらいは、入浴後に栓を抜いて浴槽を洗ってください。そのくらいの割合で大量のお湯を排水管に通せば、石鹸(油)も溶けて、小さなゴミも流れ続け、それだけ排水管が詰まりにくくなります」 というアドバイスを、これからは守ることにします。 とにかく今までは一人暮らしの気楽さから半月に一度しか洗いませんでしたから(水道代倹約のためでしたが、ご婦人方の大顰蹙を買ってしまいました。「汚い!」というのです(笑))……。 でもいくら詰まり予防とはいえ三日に一度は無理です。 今までの五倍の水を使うことになってしまいますから、それはあまりにももったいなくて、わたしの感覚では、とてもできません。 ま、せいぜい五日に一度というところで、ご勘弁をいただきましょうか……。 ところが弱り目に祟り目とでも申しましょうか。排水管詰まりが直ったその日に、今度はシャワーからお湯が出なくなってしまいました。水しか出ません。 古い型の風呂釜ですから、もはや耐用年数がきているのかもしれません。 早速大家さんに修理を依頼しましたが、わたしも耐用年数が尽きないように、今年最初の独演会を、よろしくお願いいたします。 次郎長伝は六席目で、いよいよ佳境。「興津河原の間違い」の後半です。 そして木戸では、わたしの二つ目(神田一陽)時代の高座のCDを販売いたします(先着10名様限定・開場18:30・CD購入の予約不可)。 カセットテープの音源をパソコンに落としてCDにしてもらいましたから、プレイヤーの仕様によっては再生できない場合がございますので、あらかじめご承知おきください。 「神田愛山独演会」1/27(金)19:00 ・らくごカフェ(地下鉄神保町駅A6出口・神保町交差点岩波ブックセンター隣古書センタービル5F…ビル裏口エレベーターよりお乗りください 5F降りて左・千代田区神田神保町2ー3) ・2000円(ブログプリント持参割引有り) ・愛山演題「清水次郎長伝(六)興津河原の間違い・下」他新作一席 ※自主制作CD販売 神田愛山自選講談集別巻8 清水次郎長伝(四)「仙右衛門の仇討と安五郎への掛け合い」清水次郎長伝(五)「興津河原の間違い(上)」2000円 神田愛山自選講談集番外編(3) 二つ目(神田一陽)時代「(S54年木馬亭)次郎長の生い立ち」「(同年同場所)庄太と安」2000円 《正月》けだるいだけです。どうしても好きになれません。 《甘党》お汁粉のあとのデザートに甘納豆もオツなもの。 《雨戸》冬になりますと、わたしは干した布団を取り込むときに(つまり2時頃に)さっさと雨戸を閉めてしまいます。雨戸を閉めた部屋に独りでいると、とても落ち着きます。外部を遮断することで精神的鎖国状態を味わえるからでしょう。 《コンピューターと将棋》八年前に引退した将棋の元名人が、またもコンピューターとの対局に敗れてしまいましたね。人間の尊厳を傷つけながら、文明が文化を破壊する世の中になってしまいました。 《風邪》お風呂場の排水管が詰まってしまい、早速アパート出入りの水道工事店へ電話をしたところ、何と従業員全員が風邪で寝込んでいて、いつ伺えるかわからないとのこと。本当に仲のよい?職場ですが「誰か一人くらいは丈夫なヤツを残しておけ!」ですよ。ったく、もう! 《ま、いいや。何でもいいや。面倒だ》これをこれからの人生の口癖にして思考停止をすることに決めました。 「神田愛山独演会」1/27(金)19:00 ・らくごカフェ(地下鉄神保町駅A6出口・神保町交差点岩波ブックセンター隣古書センタービル5F…ビル裏口エレベーターよりお乗りください 5F降りて左・千代田区神田神保町2ー3) ・2000円(ブログプリント持参割引有り) ・愛山演題「清水次郎長伝(六)興津河原の間違い・下」他新作一席 ※自主制作CD販売予定 神田愛山自選講談集別巻8 清水次郎長伝(四)「仙右衛門の仇討と安五郎への掛け合い」清水次郎長伝(五)「興津河原の間違い(上)」2000円 神田愛山自選講談集番外編(3)二つ目(神田一陽)時代「(S54年木馬亭)次郎長の生い立ち」「(同年同場所)庄太と安」2000円
神田愛山自選講談集別巻(8)
清水次郎長伝(四)「仙右衛門の仇討と安五郎への掛け合い」清水次郎長伝(五)「興津河原の間違い(上)」2000円 神田愛山自選講談集番外編(3) 二つ目(神田一陽)時代「(S54年木馬亭)次郎長の生い立ち」「(同年同場所)庄太と安」2000円 愛山主催会のみにて発売。通販はいたしません。パソコンで記録したディスクのためプレイヤーの仕様によっては再生できない場合がございます。 ともかくも去年(こぞ)と今年の髭を剃る 新年明けましておめでとうございます。 年の初めに一年の計を立てるのは当然のことですが、以下新企画の会と中止の憂き目にあった会のご案内。 《講談カフェ》毎月第2、3火曜日(注1月は17日・3月は13日・8月は21日のみの開催)13:15 ・らくごカフェ(地下鉄神保町駅A6出口・神保町交差点岩波ブックセンター隣古書センタービル5F…ビル裏口エレベーターよりお乗りください 5F降りて左・千代田区神田神保町2ー3) ・2000円(ワンドリンク付・ブログプリント持参割引なし) この会は本牧亭に次ぐ第二の講談定席を目論んだもので(らくごカフェオーナーのご厚意大。感謝)言い出しっぺのわたしが毎回トリをとる予定ですが(都合が悪いときは琴調さんにお願いします)超党派によるメンバーが交互出演いたします。いずれも釈界の現状に危機感を抱いている連中です。 《真打》神田愛山・宝井琴調・神田陽司・神田阿久鯉・神田織音 《二つ目》神田春陽・神田あおい・一龍斎貞寿・神田山緑・神田すず 《前座》神田松之丞・一龍斎貞鏡(2月より二つ目昇進)・神田あっぷる・神田真紅 平日昼席の講釈場は日常を離れる夢の世界です。16:00前には終演させます。ご来場のほど伏してお願い申し上げます。 《大阪独演会》 例年通り春の某日に大阪で独演会を開こうとしたのですが、何とその翌日に東京でアマチュア講談界のビッグイベントがあり、いつもわたしの大阪独演会にお客として来てくれているアマチュア講釈師の方々が、そのイベント出演のために、前日に(つまりわたしが予定している大阪独演会の当日に)上京することを知りました。 アマチュア講談界のビッグイベントはまことに結構なことではありますが、わたしは急遽大阪独演会の中止を決めました。 わたしの大阪独演会は「せめて一年に一度でいいから、上方で江戸講談の灯りをともしたい」と、何のツテもない大阪で手弁当で開いている客入り20人前後の小さな独演会ですから、数人のお客さんが確実に来られないとわかっている日に、さすがに独演会を開くことはできません。 数人のお客さんの欠席は、わたしの大阪独演会にとっては大打撃なのです。 この会は日にちも決まっており、半ば定例化しておりますから、アマチュア講釈師の方々も日程を承知していてくれて、その前後にアマチュア講談界のビッグイベントを組まれることはないだろう、避けてくれるだろうと勝手に思っていたわたしが……甘かったのです。 わたしの講談を楽しみにしてくださっている大阪の他のご定連たちにはまことに申し訳ないのですが、こうした事情ですから、今年の不開催もやむを得ません。わたしの力不足であり、不徳のいたすところです。お許しください。 ……かくして今年も悲喜こもごものスタートを切りましたが、何卒よろしくお願い申し上げます。
(一般客入場可能会限定・諸事情による変更、愛山休演及び予告なしの入場料値上げ等はご容赦願います
(問)03ー3430ー6615愛山工房) 「本牧亭講談定席」1/10(火)11(水)2/6(月)7(火)13:00 ・お江戸両国亭(JR両国駅東口(歩8分)大江戸線両国駅A5出口(歩6分)本所警察署隣・墨田区両国4ー30ー4) ・2300円(ブログプリント持参割引有り) ・日本講談協会会員交互出演(愛山1月主任席10「佐野の鉢の木」11「赤穂義士伝二度目の清書」2月は7日のみ出演) 「講談カフェ昼席」1/17(火)2/14(火)21(火)13:15 ・らくごカフェ(地下鉄神保町駅A6出口・神保町交差点岩波ブックセンター隣古書センタービル5F…ビル裏口エレベーターよりお乗りください 5F降りて左・千代田区神田神保町2ー3) ・2000円(ワンドリンク付・ブログプリント持参割引なし) ・1/17松之丞・あっぷる・真紅(交互)一龍斎貞寿・神田春陽・神田織音(仲入り)神田愛山 2/14松之丞・あっぷる・真紅(交互)神田すず・神田あおい・宝井琴調(仲入り)神田愛山 21松之丞・あっぷる・真紅(交互)一龍斎貞鏡・神田山緑・神田織音(仲入り)神田愛山 「講談広小路亭」1/18(水)2/24(金)12:00 ・お江戸上野広小路亭(上野広小路交差点角・台東区上野1ー20ー10) ・2000円(ブログプリント持参割引なし) ・日本講談協会会員交互出演 「講談新宿亭」1/23(月)2/20(月)昼13:00夜18:00 ・新宿永谷ホール(西武新宿駅を職安通り方面へグリーンプラザそば・新宿歌舞伎町2ー45ー5新宿永谷ビル1F) ・1500円(ブログプリント持参割引なし) ・日本講談協会会員交互出演(2/20愛山夜主任席「忠治山形屋」) 「松丘亭寄席」1/25(水)2/22(水)19:00 ・多磨墓地永福寺(西武多摩川線多磨駅下車踏切渡り線路沿いに新小金井方面へ数分踏切そば・ブログプリント持参割引なし) ・500円以上~ ・神田愛山・林家時蔵・柳家蝠丸・瀧川鯉昇・三遊亭右左喜 「講談落語たっぷり会」1/26(木)2/17(金)12:15 ・お江戸日本橋亭(地下鉄三越前駅A10出口中央通神田駅方面初角右数分・中央区日本橋本町3ー1ー6) ・2000円(ブログプリント持参割引有り) ・1/26好吉・立川幸之進・神田春陽・立川吉幸・宝井琴調・三遊亭竜楽(仲入り)神田愛山・「包丁」主任・立川談幸 2/17(金・竜楽休演)こはる・立川幸之進・神田春陽・立川吉幸・立川談幸・宝井琴調(仲入り)立川談幸・「徳川天一坊網代問答」主任・神田愛山 「神田愛山独演会」1/27(金)19:00 ・らくごカフェ・2000円(ブログプリント持参割引有り) ・愛山演題「清水次郎長伝(六)興津河原の間違い・下」他新作一席 「神田愛山・宝井琴調~冬の会」2/10(金)19:00 ・らくごカフェ・2000円(ブログプリント持参割引有り) ・「忠治山形屋」神田愛山「間垣平九郎」宝井琴調(仲入り)「柳田格之進」宝井琴調「(講談私小説)真剣師」神田愛山
《柿》行きつけのスーパーから柿が消えて、短い秋が終わったことを知りました。毎日食べていただけに、とても淋しいです。柿とスイカとナスのお新香と、落花生にあんころ餅が、わたしの大好物なのです。つくづく安上がりな男だと思います。
《股引》わたしが二つ目の頃六代目小金井芦州先生が、革ジャンにツナギのジーンズで楽屋入りされたことがあります(先生は六十代でした)。大体が洒落者の先生でしたが、その若々しい姿に一同はビックリ仰天……が、ジーンズの下には、しっかりと股引をはいておられました(笑)。 わたしにとって股引は老人の象徴でしたが、七、八年前から、わたしは真冬の一、二月に限定して股引をはくようになってしまい、ついに今年は年末から着用しています。 夜になると股引に綿入れ、マフラーを巻いて、毛糸の帽子をかぶって家にいます(コロコロスタイルというそうですね)。 けっして色っぽくはありませんが、この姿でいれば必要最低限度の暖房ですみます。 昨年の同時期に比べて27%の節電だそうです。東電様の料金請求書に書いてありました。 《コンピューターと将棋》かねてからコンピューター関係者は「プロ棋士よりも強い将棋ソフトを開発したい」といい、実際にここのところ女流棋士や男性引退棋士がコンピューターと対局して敗れておりますが、もうこんなことはおやめになったほうがよろしいですよ。 人間には感情の流れがあり、たえず平静でいられるわけがありませんし、時間が経てば疲れてミスもおかしますが、コンピューターは疲れることがなく、したがって疲れによるミスはおかしません。 ですから同じ棋力をもっていると仮定して、疲れる人間と、疲れないコンピューターが対局すれば、疲れないコンピューターのほうが、最初から圧倒的に有利ではありませんか。 そんなにコンピューターを自慢したいならば、コンピューター関係者は「疲れる強い将棋ソフト」を開発して、プロ棋士と対局させ、そして負かすべきです。 ……さ、能書きはこのくらいにして、これから将棋ゲームで遊ぼうっと。
大変お待たせをいたしました。いよいよ高い評価をいただいている神田愛山・柳家喬太郎二人会の日にちが迫ってまいりました。
当日は18:00から18:30までは前座、二つ目さんに時間をつないでもらってお客さまのお席を暖め、それからが二人会の幕開けとなります。 双方古典と新作を一席ずつ。十年来変わらぬ構成です。じっくりと二人を聴き込んでください。演芸ファンであることを誇りに思っていただきます。「この会は寄席の宝ですね」と、ご定連からいわれたことが何よりの自慢です。 ……蛇足ながら、わたしの読み物の解説をしておきます。 「左甚五郎陽明門の間違い」甚五郎ネタは講談落語共通の「竹の水仙」「三井の大黒」でおなじみですが(落語に「水呑みの龍」はないようですが、講談に「ねずみ」はありません)この「陽明門の間違い」を聴かれると吹っ飛びますよ。皆さま方がイメージしておられる甚五郎物とは、まるで違います。わたしは侠客伝のつもりで読んでいます。甚五郎がどうして左甚五郎といわれるようになったかという凄惨な一席です。ぜひこれからの客席での話のタネにお聴きください。 「安心できない男」アメリカのテレビドラマ「名探偵モンク」そして古典落語の「水屋の富」に倣い、講談で強迫神経症を笑いのうちに紹介したいと思い、この一席を創ってみました。もちろんモデルはわたし自身です。 今年は天変地異に人災と、最悪の一年でした。せめて最後は神田愛山・柳家喬太郎二人会で締めくくってください。年の瀬の夜の深い闇もオツなものです。 「神田愛山・柳家喬太郎二人会」12/20(火)18:00 ・お江戸両国亭(JR両国駅東口徒歩5分・地下鉄大江戸線A5出口・本所警察隣・墨田区両国4ー30ー4) ・2000円(全当日自由席・予約前売りブログプリント持参割引なし) ・好吉・春陽・「左甚五郎陽明門の間違い」神田愛山・「花筏」柳家喬太郎(仲入り) 「おたのしみ」柳家喬太郎・「安心できない男」神田愛山 春寒し大洋キャンプ目を見張るコート姿の立川談志 わたしの育ちの故郷である静岡の草薙球場には、毎春プロ野球の大洋ホエールズがキャンプをはっており、小学校高学年であったわたしは、サインをもらいに、よく出かけたものです。 ところがその日のグランドには、大洋の選手に混じり、マウンド近くにコート姿の人が立っていました。 「(NHKテレビ)まんが学校の司会の人だ!」 わたしは思わず隣の友人に叫びました。わたしはスタンドの上段から談志師匠を発見したのです。演芸マニアであった子供心にも、談志師匠は他の落語家さんとは違ってみえました。一口でいえばとにかくスマートで、カッコよかったのです。 少年の心ときめく木賊刈り「勘定板」に「ねずみ穴」聴く 高校三年の一月の終わりだったと思います。わたしは大学受験の下見のために上京し、寄席の目黒名人会を訪れました。 それまで学校をサボってまでも談志師匠が出演するテレビを見て、社宅アパートの屋上に上がって周波数を合わせ、雑音混じりのラジオを聞き続けてきましたが、この日は夢にまで見た談志師匠のトリ席なのです。 出囃子の木賊(とくさ)刈りが鳴り、わたしが初めて生で聴く談志落語は「勘定板」でした。 そしてわたしはこの日(どうしてそういうことになったのかは、まるで覚えていないのですが)目黒名人会のポスターと談志師匠の手拭いを入手しました。 その後わたしは大学生となり、談志師匠の追っかけとなって寄席を巡り、新宿末広亭で聴いた「ねずみ穴」に感動したわたしは追い出しの太鼓が鳴り、頭を下げ続ける談志師匠にお願いをして握手をしてもらいました。 そしてその手の感触を忘れないように帰路につき、川崎駅から下宿までの道を三十分以上かけて歩いたものです。 楽屋にて距離をおきたる談志師の立ち居振る舞い神の如くに わたしは何度も楽屋口で待ち受けて、談志師匠に弟子入りを乞おうとしましたが、いざその場面になりますと強い内的禁止がおこり、足がすくんで、どうしても行動をおこすことができません。 今にして思えば蛙が初めて見る牛の巨大さに驚いて、身も心も萎縮してしまったのかもしれません。 それでも講釈師になり、何度か楽屋はご一緒させていただきました。もちろん声などはかけてはいただけません。ただこちらから一方的に見つめるだけです。 しかし談志師匠と同じ空間にいられるだけで、わたしは大満足でした。 談志師の訃報伝へる落語家の口の動きをうつゝに見る 平成二十三年十一月二十三日。この日わたしは多磨墓地のお寺で夕方から開かれた地域寄席に出演し、その打ち上げの席で、同席していた落語家から談志師匠の死を知らされました。 わたしは現実感覚が抜け落ち、真っ白な頭で、虚脱状態のまま、彼の説明を聞いていました。 帰宅してからは談志師匠の死を報じるテレビニュースを見続け、翌日は可能な限りワイドショーを録画し、スポーツ紙四紙と、数日後に発売された週刊誌を買いました。 もう講談の神田愛山ではありません。一演芸ファンの立場にもどって、談志師匠を追いかけ続けた四十五年の歳月を偲びました。 わたしの人生の大きな支えとなってくださったお二方。 平成八年に結城昌治先生が逝かれ、今度は談志師匠が亡くなられました。 わたしは今途方にくれています……と、ここまでこの原稿を書いて床についた夜、わたしは談志師匠に弟子入りが叶った夢を見ました。 談志師匠のお宅で(しかし間取りは、わたしのアパートと同じでした)わたしは隣の部屋で用足しをしている談志師匠を待ち続けています。 やがて襖が開いて談志師匠が現れた瞬間!わたしは目が覚めました……。
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